お客様の為に、何ができるのか?
私、防犯おやじがまだ若手社員だったときのことです、お客様から会社へお電話で防犯システムの問い合わせが来ました。
会社への電話の際には気がつかなかったのですが、電話の後にWebページを見てみるとなんと年商が数百億円の企業でした。
そこの企業は、昔から1つの業者へ全てのセキュリティシステムを一任していたと言うことも調べてみると解りました。上司へ報告すると…
上司:訪問するとは言ったもののこれって形だけの問い合わせじゃないかなぁ?行っても経費の無駄だし、お断りすれば?
そうなんです、実際にどきどきあることなのですが大きな企業になると色々と監査があるため1つの会社だけからでなく複数の会社から見積書をとるということがあります。
ですが、その大多数はもともとからお付き合いのある取引先との契約が担当者レベルで内定していることが良くあります。
実際、私も断ろうかと内心少し考えましたが…
“せっかく連絡くれたし行ってみよう!”と
連絡を下さった企業へ再度連絡をし訪問することにしました。
実際に、現場に到着すると立派な社屋ビルの受付へ恐る恐る向かいました…
“ヒェー(゚ロ゚ノ)ノなんだよ、この会社、でかすぎだろ?”とか思いながら受付をすませるとすぐに
連絡を下さった、担当者の方が現れて、会議室へ通して下さいました。
会議室内には、役職者の方々が何人も座られて待っており、他社の防犯カメラの資料や、見積書等が手元に置かれており、
“直前まで他のライバル会社が何件かプレゼンしていた”ことが伺えました。
席に座ると、矢継ぎ早に営業おやじの会社でできるシステムに関しての話を聞かれました。
話し出そうとすると、私の中ので凄くモヤモヤした感情が出てきたのです。
簡単に取り扱いのあるシステムだけはお話させていただいたのちに、
一か八か“迷い”ましたが、
“お客様、申し訳ございません!”と頭を下げ…
“本当であればここでシステムの話をした方が良いと思います。ですが、現場をみて防犯診断を行っていない状態でニーズにあったお話は出来ません!”
内心では…駄目でもともとなんだから、やれること全力でやっちゃえと思って頭を下げました。
すると、参加されていた中でも1番の役職者である本部長がおもむろに口を開きました。
本部長:防犯診断って?なにそれ?
防犯おやじ:実際に防犯機器の導入を検討されている場所や対象物に対して、そのもの及び周辺の状態を確認することです。
それを基に防犯診断を行い、防犯診断書を作成します。
防犯診断書を作成することでより良いシステム構成が可能になります。
本部長:その診断書はもらえるの?
ここで、内心しまったと思いました…。
私の書いた防犯診断書が他社にみられてしまう可能性があるからです。分かる人間が見れば、防犯診断書さえあれば現場をみてまわらなくてもシステム構成ができてしまいます。
ですが、そこで私は“決断”しました。
防犯おやじ:はい!もちろんです!
本部長:じぁ、いいよ。担当者、一緒に案内してまわって!
その後すぐに、先方の敷地全体の防犯診断を行い数日間の日を頂き、見積書とシステム案内をすることに。
見積書提出当日…
私は、わくわくと不安で一杯でまた会議室へ向かいました。
到着すると、すぐに
本部長:やぁ、できた?診断書?
すぐに、防犯診断書とそれにあったシステム構成図をお渡しし、プレゼンを行いました。
プレゼンを行っている間は、本部長はずっと黙ったままで口を開くことはありませんでした。
プレゼンが終わって、本部長が笑顔になり、話始めました…
本部長:面白いね。防犯おやじさん(笑)こんなにうちの会社のニーズにあった防犯システムに関しての話をしてくれたのは始めてだよ。
色々な会社のセキュリティに関するプレゼンは受けてきたけど、防犯診断書を出したのはあなたが始めてだよ。ありがとう。
この言葉に、お客様の為にはプレゼンして契約して頂けることも大切ですが…
本当に“お客様にとって何が大切か?”を考えて行動することが大切かを学ばせて頂いたなと感謝しました。
それからしばらくして、会社へ連絡があり私がプレゼンした内容で話を進めたいとありがたい連絡を頂きました。
後に担当者様から聞いたのですが、12社程での競争でスタートし私が防犯診断書を書いたことが喜んでいただけて契約に繋がったとのお話がありました。
あの時、“迷い”ましたが、お客様に頭を下げて本音で話をし、防犯診断書を作成するという“決断”をしたから今の自分があるのだと思います。
これからも、進むべき道や行動に“迷い”が出たら、よりポジティブにお客様の為のより良い“決断”を行っていこうと思います。
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